2022.07.20
八幡町旧二丁目山車は、江戸後期の建造であり八王子で現存する最古の山車である。
山車は単層唐破風一本柱後立人形山車の遺構を有し、八王子型人形山車の主流であった。盛留(一本柱)を立て諌鼓鳥を飾り巡行した期間は長くはなかった。
山車の現況は、30年以上の長きに、山車収蔵庫に眠っていた状態が続き、修理が必要な状況の下で数十年の歳月が経ち、ようやく建造時の姿に、保存修理を経て蘇る機会が巡って参りました。
車輪の修理から始まり、劣化部材の取り替え、加工、彫刻修理等、重要な盛留を蘇らす為の工事に今取り組んでいます。
修理前正面
修理前側面
修理前背面
車輪修理
高山市田中鉄工所に於いて車輪の調整及び焼嵌を施した。
解体作業が始まった。
作業所にての工事見学会
これから作業所での仮組みが始まり、終了次第いよいよ山車庫にて組み立てを実施します。
長柄取り付け床台を組み立てる
台輪の木鼻
背面盛留用の割れ床
床台の組立
背面柱廻り
柱建て
花頭口
虹梁
斗組
唐破風
垂木、木小舞
正面
工事見学会
竣工正面
竣工背面
竣工側面
八王子市指定有形文化財八幡町旧ニ丁目山車は、平成31年3月末日に、3年の歳月を経て本体工事がここに無事竣工できました。ご尽力を頂いた方々に御礼をもうしあげます。
盛留の加工
新規檜材で既存盛留を復元した。
仕上げは柿渋下地黒カシュウ塗り及び透き漆塗りとした。
塗装前に持ち送り及び岩座の仮組みをした。
令和元年5月19日いよいよ諫鼓鳥の立ち上げを試みた。
盛留(真柱)に滑車2ヶ所、添え柱に4ヶ所を設け前後より18名程でロープを曳き盛留を少しずつ起こし、無事に諫鼓鳥の人形立ちが無事に終了した。
八幡町旧二丁目山車真柱立て
令和最初の八王子祭り
見事に立ち揚がった諌鼓鳥
頭の木遣りに合わせて立ち揚げた
令和元年8月4日の読売新聞より