建築の言葉で「貫 (ぬき)」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
「筋違(すじかい)」はどうでしょうか?
柱と柱の間に斜めに入っている構造補強材が筋違です。(耐震・耐風)
こちらのほうが良く聞かれると思います。
現況の建築基準法で定められているものです。
日本は地震列島なのでそれに耐えうる厳しい基準があります。
(伝統建築を学んで実践している棟梁には、今の建築基準法に不備が沢山あることを皆知っているのだが・・・)
それではその基準よりも優位性がある構造補強材は何でしょうか?
それが
通し貫です。
通し貫というのは柱と柱の間に斜めではなく地面と平行に取付る部材で、
柱に穴をあけて貫を通し、楔代に楔を打って柱をつなぎます。
それにより地震時に建物が揺れても、柔軟に力を分散できるようになります。
現代の工法は、金物でがちがちに固める傾向にありがちですが、
金物に頼った構造では、弱い場所にちからがかかった場合などには、
ちからの逃げる場所を失い建物の破壊につながる原因となります。
関東大震災はもとより、大地震を耐え抜いてきた木造建築物のほとんどが
通し貫を使用した建物でした。
というより通し貫を入れるのが、その当時はいろはのいでした。(建築基準法ができるまでは)
これからアップしていく写真にも沢山貫を見れるものがありますので、
ご注目ください。